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2006年7月27日 (木)

弁慶

Photo










先月、3年ぶりに佐渡島に潜りに行った。

目的は佐渡北東部の漁村「北小浦」の沖に棲む「弁慶」に会う為だ。
「弁慶」はコブダイの雄、つまり魚なのだ。

写真を見てお判りの通り、かなりおっかない顔をした魚だ。
コブダイは産まれた時は総て雌、大きく成長し、栄養状態が良いと雄に性転換する。
とは言っても、「弁慶」の様に体長1メートル近くまで育つのは僅かしかいない。

17年前、人になれたコブダイがいると聞き、佐渡島に撮影に行った。
その時、案内してくれたのが佐渡ダイビングセンターの本間 了さんであった。

本間さんは北小浦の沖合の岩礁に棲む、その大きなコブダイをイカで餌付け、ダイバーを怖がらない信頼関係を作り上げていた。

そう、コブダイは勇壮な外見とは違って、たいへん神経質。ダイバーが近くまでよれる事は滅多にない。
千載一遇のチャンスとばかり、沢山写真を撮った。

本間さんが、そのコブダイの雄に名前を付けてやりたいのだが、何か良い名前を思いつかないか…と聞いてきた。
僕はすかさず「弁慶」はどうですか?と答えた。
その異形の面相はこわもての歴史上の人物に相応しい気がした。

本間さんは「弁慶」を気に入り、その日から僕たちの間では「弁慶」で通る様になった。
魚の名付け親になったのは最初で最後の経験だ。
以来、17年間「弁慶」は北小浦沖合の岩礁を縄張りとし、変わらず元気でいる。

先月、初夏の繁殖期間を迎え、近隣の雄と縄張り争いをおこし、勇猛果敢に戦う「弁慶」の姿を撮影できた。
その戦い方は近隣の若い雄とは、明らかに迫力の違いがあり、格違いの感があった。

そして、岩礁に集まって来るたくさんの雌との繁殖行動。
いったい「弁慶」の寿命はどのくらい有るのだろう。

最初出合った時はギョッとする印象であったが、今では幼なじみに合った様な親しみを感じる。
いつまでも元気でいて欲しい奴だ。

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