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2005年10月14日 (金)

アゴヒゲアザラシ

そろそろブログも慣れてきたから海の話を書こうか…なにしろ「ヒゲアザラシの水中メガネ」なんて言う立派なタイトルまで付けて貰っちゃったんだからね。

アザラシと言えばタマちゃん騒動はどうなったんだろう。タマちゃんはアゴヒゲアザラシと言う種類で、英名をBearded Seal と言い、本来もっと寒い、寒流の海で見かけるアザラシだ。

15年程前に行った北極取材の時、現地人であるイヌイットのハンターからアゴヒゲアザラシを教えて貰った。すごく神経質で、カサリとでも音を立てようなら、すぐに氷の海に飛び込んで逃げてしまう。氷原に伏せ、双眼鏡で見たアゴヒゲアザラシの顔には堅そうなヒゲがビッシリと生えていた。そうそう、あのテレビ中継で見かけたタマちゃんそっくりな顔をしていた。

氷の割れ目から滑り込んで氷点下の北極海の海を撮影していると、好奇心に駆られて近付いてくる物もいた。かなり可愛いぞーッ。

でも、何よりも驚いたのはアゴヒゲアザラシの海中での鳴き声だ。白夜の氷原でクジラや他の生物たちが出す鳴き声や交信音を録音するためハイドロフォン(水中集音マイク)を海中におろすとハッキリとした生物の鳴き声が聞こえてきた。

それは高音のクゥ〜〜〜〜〜ゥ〜〜〜〜〜ゥ〜〜〜〜ンという鳴き声がだんだん低音に変化していく独特のもの。

「何?この音???」とカナダ人の学者に聞くと、「Bearded Seal !」と返事が返ってきた。あのアゴヒゲアザラシがどうやって…何のために…と矢継ぎ早に問いかけたが、「ワッカラナイヨー」と両手を広げられた。

その鳴き声は、戦争映画で聞いた大型爆撃機が落とす爆弾の音に似ていた。クゥ〜〜〜〜〜ゥ〜〜〜〜〜ゥ〜〜〜〜ン、クゥ〜〜〜〜〜ゥ〜〜〜〜〜ゥ〜〜〜〜ンと複数の鳴き声が重なり氷の下の世界には音が溢れかえっていた。

その後調べたところによるとアゴヒゲアザラシは百数十メートルの海底まで魚を獲りに潜り、浮上してくる時にその声を出しながら上がってくるらしい。

とはいえ、まだ人類の誰もその鳴き姿を確認した者はいない。

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コメント

はじめてメールを出します。中村さんの昔からのファンのものです。先日も稲取での講演におじゃまさせていただきました。これからも私たちに素晴らしい海のお話をお聞かせ下さい。

投稿: まーりん | 2005年10月14日 (金) 17時03分

コメントありがとうございます。毎日落とさないように書き続けてみますので、応援よろしくお願いします。

投稿: ヒゲアザラシ | 2005年10月15日 (土) 02時31分

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