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2005年10月24日 (月)

エチゼンクラゲ

島根半島の海でエチゼンクラゲを沢山見てきた。港からダイビングボートで出発し、周辺にある小島まで近づくと、水面近くに奴らの姿が見え始める。水中カメラを準備し、ドボンと飛び込む。

透明度5メートルほどの海中、ウッスラと見え始めたエチゼンクラゲに泳ぎ寄る。「デッ!デッカイ…!」 ユックリと傘を翻し、泳ぐ様はクラゲというより、象のようだ。わずかに走る潮にのって漂いながらクラゲについて行くと、チラホラと別のエチゼンクラゲが見え始めた。小さい(傘の径50センチ程)のから大きい(傘の径1メートル前後)のまで、サイズは様々。皆、気持ちよさそうに、凪の水面下を泳いでいる。

しばらく行くと、潮の吹き溜まりなのか、クラゲの密度が濃い所に流れ着いた。まるで、エチゼンクラゲのパーティーに迷い込んだみたいだ。

すると、下の方から巨大な奴が泳ぎ上がってくるのが見えた。傘の径1.3メートル、触手も千切れておらず、全長4メートルほどの小錦 八十吉クラスだ。物がすべて大きく見える水の中では軽四トラックくらいに見える。威風堂々の行進。

薄茶色で半透明の傘を力強く煽り、目の前を通り過ぎる。

これは宇宙船だね。スタンリー・キューブリック描くところの宇宙船の様に、遠景から超クローズアップに至る視野の中で、微細な突起や触手・刺胞がひしめき合い、複雑怪奇な立体空間を作り出している。クラゲの触手が持つ毒に守られようと周囲に集まってくる小魚たちも小型宇宙艇の様に見えてくる。

10年ほど前、同じ島根半島の地にエチゼンクラゲ大発生のニュースレポートをする為、初めて潜りに来た。当時は36年ぶりのエチゼンクラゲ大発生に戸惑いながら、「困ったもんだァー」と余裕の笑みを浮かべていた漁民達。ここ数年、連続して起きるエチゼンクラゲ大来襲の漁業被害に不安の色は隠せない。

想定される原因として、地球温暖化・対馬暖流の優勢化等の他にも、近代中国の工業化による影響、揚子江ダムによる黄海・渤海表層流の変化等が気にかかる状況だ。複雑な日中関係が影を落とす日本海の平穏を願わずにはいられない。

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